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KAERU
介護・障害福祉社会福祉法人すいせんの里 すだちの家

通帳30冊を銀行へ運ぶ日々を終わりに。トラブルの前に手を打った、すだちの家のキャッシュレス導入事例

利用者30名分の通帳と払い出し票を銀行へ運び、2日後に受け取る。この往復だけで丸一日。出納帳の記載漏れという火種も抱えていた施設入所支援「すだちの家」が、トラブルになる前に手を打った判断を伺いました。

利用者30名分の通帳と払い出し票をまとめて銀行に持参し、2日後にまた窓口へ受け取りに行く。準備まで含めると、それだけで丸一日の仕事になります。金融機関の窓口縮小も重なり、この作業は年々重くなっていました。

ただ、すだちの家がKAERUカードの導入を決めた一番の理由は、業務の手間ではありませんでした。出納帳の記載漏れという、いつ大きな問題になってもおかしくない火種を抱えていたことです。「トラブルになってからでは遅い」――問題が起きる前に手を打つという判断でした。

この事例のポイント

■ 課題
30名分の通帳・払い出し票の取りまとめと銀行への往復に丸一日。出納帳の記載漏れも起きていた

■ 理由
トラブルとして問題化する前に、現金管理そのもののリスクを下げたかった

■ 対応
KAERUカードを導入し、1日の利用上限を3,000円に設定。ご家族へは個別面談の場で一人ずつ説明

■ 効果
銀行への往復・通帳預かりの手間が減少。記録が残り、「わからなくなる」不安が解消した

施設の概要

社会福祉法人すいせんの里 すだちの家のロゴ

法人名

社会福祉法人すいせんの里

施設名

すだちの家

施設形態

施設入所支援

対象

知的・発達障害のある方

利用者数

約30名

所在地

福井県

01 30名分の通帳を、銀行へ運ぶのに丸一日

Q. 導入前は、金銭管理でどのような業務負担がありましたか?

A. うちは大体30人ほど利用者さんがいるので、その分の通帳と払い出し票をまとめて銀行に持っていって、2日後くらいにまた取りに行って出してもらう、という流れでした。窓口に持っていくための払い出し票の準備などもあって、それだけでもう一日がかりという感じでしたね。最近は銀行側の窓口も減ってきていて、以前よりさらに手間がかかるようになっていました。

積み重なった書類と伝票(イメージ写真)
30名分の通帳と払い出し票の準備だけで、丸一日がかりになっていた(※写真は仮のイメージです)

02 導入の決め手は「トラブルになる前に」

Q. カード導入を決めた一番のきっかけは何だったのでしょうか?

A. 支援員も日々忙しいので、出納帳への記載に漏れが出てしまうことがあり、その都度チェックを強化するなど防止策を講じている状態でした。現金を扱っている以上、こうした記載漏れやお金が合わなくなるリスクは常につきまといます。何か大きな問題としてトラブルになってから対応するのでは遅いので、そうなる前に手を打っておいた方がリスクを抑えられるだろうと考え、カードの導入を進めることにしました。

電卓と筆記用具が置かれた事務机(イメージ写真)
出納帳の記載漏れは、チェックを増やしても完全にはなくならなかった(※写真は仮のイメージです)

「トラブルになってから対応するのでは遅い。問題が起きる前に手を打っておいた方が、リスクを抑えられるはずだと考えました」
―― すだちの家 施設管理者様

03 紛失に備えて、1日の上限は3,000円

Q. カードそのものの紛失・盗難リスクについては、どう考えましたか?

A. 現金を扱うリスクを下げるための導入ではありますが、カード自体を落としてしまった場合のことも考えました。被害額と日々の利便性を比べたときに、被害額はそれほど大きくならないだろうと判断し、1日に使える金額の上限を3,000円までと決めて運用しています。手数料を払うくらいなら現金に戻したいという意見も出て、正直そこは議論になった部分もありました。ただ、実際に何か問題が起きたときに大きな金額を払うことになるより、上限を決めて安心して使える方が良いはずだと説明して、納得してもらいました。

04 高齢のご家族には、個別面談で一人ずつ説明

Q. ご家族への説明では、どのような工夫をされましたか?

A. 保護者の方は70代、80代と高齢な方が多く、クレジットカードのようなものを作ること自体に抵抗がある方もいらっしゃいました。5月、6月頃に行っている個別面談の機会に、一緒にシステムの説明をするようにしました。暗証番号を入れることへの不安の声もありましたが、説明してみると「そんなに便利なら自分も作りたい」という反応をいただくこともありましたね。

高齢の方の手を取る手元(イメージ写真)
ご家族への説明は、もともとある個別面談の場で一人ずつ行った(※写真は仮のイメージです)

05 「わからなくなる」不安がなくなった

Q. 実際に運用してみて、現場にはどのような変化がありましたか?

A. 現金を扱っていたときは、職員が利用者さんのそばを離れられず、レジまで一緒について行く必要がありました。カードになってからは、そうした緊張感がなくなり全然楽になったと思います。事務的な作業量そのものはそこまで変わらないかもしれませんが、記録が残ることで「わからなくなった」という状態がなくなるので、その点はとても安心できています。

導入前後の変化

■ 出金の手続き
導入前 30名分の通帳・払い出し票を銀行へ持参し、2日後に受け取り
導入後 銀行への往復・通帳預かりの手間が減少

■ 手続きにかかる時間
導入前 準備を含めて丸一日
導入後 減少

■ 出納帳
導入前 記載漏れが生じ、その都度チェックを強化
導入後 利用履歴が記録として残る

■ 買い物への付き添い
導入前 職員がレジまで同行する必要があった
導入後 レジまで付き添う緊張感がなくなった

■ 紛失への備え
導入前 ―
導入後 1日の利用上限を3,000円に設定

導入前に気になるポイント

Q. 利用者が30名いても管理できますか?

A. すだちの家では約30名で運用しています。導入前は30名分の通帳と払い出し票を銀行へ運ぶ作業に丸一日かかっていましたが、その手間が減りました。

Q. カードを紛失したときの被害はどこまで抑えられますか?

A. 1日に使える金額に上限を設定できます。すだちの家では3,000円に設定し、紛失時の被害額を限定したうえで運用しています。

Q. 高齢のご家族に説明するとき、どう進めればよいですか?

A. すだちの家では、もともと5月・6月に行っている個別面談の機会に、一人ずつシステムの説明を行いました。新たに説明会を設けずに済み、一人ひとりの不安に合わせて話せます。

Q. 導入までどのくらいかかりますか?

A. すだちの家では、ご家族への説明から申込みの回収まで約3週間で完了しています。

まとめ

すだちの家がカードを導入した理由は、業務を楽にすることではなく、現金を扱うこと自体が抱えるリスクを下げることでした。出納帳の記載漏れは、忙しさが原因である以上、担当者の努力だけでは減りません。扱うものを現金からカードに変えることで、仕組みとして問題が起きにくくなる。これが「トラブルになる前に手を打つ」の中身です。

※KAERUカードは、ご本人が持って使うプリペイド型のカードです。施設側でチャージや1日の利用上限の設定、利用履歴の確認ができます。

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